子どもの脳を育てる「言葉がけとかかわり方」その3

「発達に合わせた言葉がけとかかわり」について

 子どもの脳を育てる言葉がけの中で、親が一番気をつけなくてはいけないことは、「子どもの脳の発達を頭に入れた言葉がけとかかわり」です。

子どもの脳は、誕生直後にスイッチが入り、約10年間でほぼ完成します。(約96%)そのため、子育てにおいては年齢に合わせた会話やコミュニケーションが求められることになります。

大きく分けると、赤ちゃんのとき、幼児期、小学生のときに分かれますが、それぞれの時代に合わせた「言葉がけ」や「かかわり方」がとても重要になります。

なぜならば、この10年間で、子どもの基本的な人格が形成されたり、人としての器が形成されたりするからです。子どもにとって、最初のコミュニティが「家庭(家族)」です。

しかも、脳の発達期に受ける影響が大きいことを考えると、親から「どのような言葉がけをされたか?」「どのような躾を受けたか?」「どのようなかかわり方をされたか?」ということは、極めて重要になります。

そのために、まずは「子どもの脳の発達を頭に入れた言葉がけとかかわり方をすること」です。 子どもは生まれた瞬間から「肺呼吸」をするようになり、同時に酸素が脳に届きます。

これにより、脳の機能も稼働し始めます。そして、脳を形成する「後頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「前頭葉」という4つの部位もそれぞれ動き出し、発達していきます。

最初に発達するのは「後頭葉」です。

頭の後ろ側に当たるところです。ここは「視覚」の重要部分であり、モノの色彩や形を認識するところです。

例えば、子どもの視力は産まれて 3か月くらいまでは、視力が 0.1程度ですが、10か月くらいになると、0.8~1.0程度まで発達します。約10倍の伸びをするわけです。

人間の機能の中でこれだけの期間でこれだけ発達するのは、すごいことです。ですから、2~3歳くらいまでは、子どもの視覚を刺激するような言葉がけや接し方が大切になります。

次に発達するのは「側頭葉」です。

この部分は、主に「聴覚」や「記憶」「言語」、加えて反射神経や運動神経、物事の判断までも担ってい る箇所です。

耳から情報を入れて、記憶するのもこの部分ですし、「良い言葉」も「悪い言葉」も覚えるのが、側頭葉が急速に発達する5~6 歳くらいまでです。

この時期は、人間の人格形成にとっても大切な時期となりますので、親としては適切な言葉がけやかかわり方を考える必要があります。

次に発達するのが、「頭頂葉」です。

 ここも5~6歳で急速に発達していく部分です。主な役割は、「触覚」や「空間知覚」、そして「温度」など、 生きていくのに必要なものばかりです。痛みや温冷、モノの硬さなどを認識していくのもこの部分です。

 つまり、子どもをコントロールしようとすることです。親は子どもをコントロールしているつもりはないのですが、無意識のうちに自分の言う通りにすればうまくいくと思ってしまいます。

 こうした心理の背景には、「心配」「愛情」「気遣い」などがあることはわかっているのですが、ついつい勇み足をしてしまうのが親の心情なのです。こうしたことをしていると、子どもは成長のタイミングを失います。言い換えると、自主性や行動力に欠ける子どもになってしまうのです。

 特に脳がほぼ完成する10歳までに上記の3つをしてしまうと、本来育つべき脳が委縮して、親の顔色をうかがいながら生活する子どもになってしまいます。

最後に発達するのは、脳の統合指令室である「前頭葉」の部分です。

ここは「創造」や「思考」、さらに体のバランスや運動機能を担っているところです。現代の脳科学では、脳の機能が完成した大人の脳を100%とすると、だいたい10歳くらいまでに、これらの4つの部分が96%完成すると言われています。

 ですから、小学校高学年までの子育てにおいて、子どもの脳の発達を頭に入れた言葉がけとかかわり方がいかに重要になるかお分かりかと思います。ほぼ10歳までに大人が使っている言葉(日本語)をほとんど覚えるわけですから、この時期の言葉がけやかかわり方が子どもの人間としての基礎を作るといっても過言ではありません。

つづく

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