●泣くのは成長のあかし
生後6カ月を過ぎると、子どもの睡眠リズムはしだいに整ってきます。
ただし2歳くらいまでは、夜中に急に泣きだし、泣きやまないことがよくあります。
これは「コリック」や「夜泣き」と呼ばれ、どちらも赤ちゃんが成長する過程で起こる生理現象です。
対処法を知り、「子どもは泣くのが仕事」と、いい意味で開き直って、おおらかに見守ってあげることが大切です。
●「コリック」とは
夕方から夜にかけて、スイッチが入ったかのように突然激しく泣きだすのが「コリック」です。「黄昏泣き」「疝(せん)痛」(※お腹のさしこみ痛)とも言われ、生後2週間から5カ月の子どもに多くみられます。
その泣き方は、特徴を示す言葉の頭文字から「パープル・クライング」と呼ばれます。
コリックの原因はわかっていません。昼と夜の自律神経のリセットに赤ちゃんの未熟な脳がついていけず、不安になって泣きだす、あるいは自律神経系の不安定さから胃や腸がけいれんしているのではないか、という説があります。
●「夜泣き」と生活リズム
夜泣きは、生後4カ月くらいから始まります。夜中の0時~3時頃に突然泣きだし、1回30分くらいで収まるものの、3カ月ほど毎日続くことがあります。
夜泣きの原因も解明されていませんが、脳が成長過程でバランスを崩し、情緒が不安定になって起こるのではないかと言われています。
夜泣きを減らすには、就寝、昼寝、食事、遊びの時間をできるだけ一定にして「生活リズム」を整えることが大切です。不規則な生活が夜泣きに影響すると考えられているからです。
寝る時(寝室)の環境も大事です。室温は夏25℃前後、冬20~25℃に。湿度は50~60%が適切です。照明は暗くしましょう。
さらに「入眠儀式」が安定した眠りにつながると言われます。眠りに入る前の授乳、子守歌や音楽を聞かせること、絵本の読み聞かせなどを習慣化するのがおすすめです。
●「泣き」の理由と対処法
子どもが泣きやまない時はまず、体温や顔色をチェックして、病気かどうかをみます。病気ではないと判断したら次に、
・お腹が空いていないか
・オムツは濡れていないか
・汗をかいていないか
・かゆそうな所はないか
などを確認します。空腹や不快感を訴えている時は、その問題を解決すれば泣きやみます。
とくに理由が見当たらないのに泣き続ける時には、子どもを抱きしめる、添い寝、マッサージなどを試しましょう。
部屋を移動したり外出したりして環境を変えるのも、子どもを落ち着かせるのに効果的です。ドライブをすると、すやすや寝始める子もいます。
●親のリフレッシュも大切
あれこれ試しても泣きやまない時は、しばらく泣かせておくのも対処法の一つです。「泣きやませなければ」と親が焦ると、子どもにその不安が伝わり、余計に泣きやまないことがあるからです。
子どもを安全な場所に仰向けに寝かせ、目の届く範囲で子どもから離れて、一人の時間を過ごしましょう。15分程度、お茶を飲むだけでもリフレッシュできます。交替で子どもを見るなど家族で協力しあうことも大切です。
●揺さぶりは厳禁
絶対にしてはいけないことは、カッとなって衝動的に子どもを激しく揺すること。これは「揺さぶられっこ症候群」を引き起します。脳内で出血したり神経が切れたりして、脳に損傷をきたし、重い後遺症が残ります。最悪の場合、死に至ります。
●夜泣きは大人の寝言?!
コリックも夜泣きも必ず終わる時がきます。泣くことをあまりネガティブに捉えず、冷静になる方法を工夫してコリックや夜泣きと上手につきあいましょう。「大人の寝言と同じ」というくらい、ラクな気持ちで見守ってみませんか。