醍醐渡辺クリニックのドクターに伺いました-_20240708

醍醐渡辺クリニックインタビュー醍醐渡辺クリニックインタビュー

醍醐渡辺クリニックは、女性の体のホームドクターとして、思春期から老年期まで女性に寄り添って50余年。
今回は読者の皆様からのご質問が多い「二人目不妊」や「不妊治療」についてお答えいたします。


ドクター紹介

山口医師
奈良県立医科大学卒。京都府立医科大学付属病院で研修。近江八幡市民病院、公立南丹病院勤務。京都府立医科大学大学院卒。府立与謝の海病院勤務。醍醐渡辺クリニック在勤。(医学博士。生殖医療認定医。産婦人科専門医)
先生から一言:「お困りのことがありましたら気軽に御相談ください。」
趣味:ツーリング(時々)・音楽を聴く
好きな食べ物:ラーメン、カレー、とんかつ、餃子
苦手な食べ物:脂っこいもの


30歳までに出産を考えたほうがいいですか?
40歳を超えると二人目の妊活のリスクはありますか。

 日本産婦人科学会の不妊の一般的な定義は、「一年間避妊せずに妊娠しない状態」とされています。国際保健機関(World HealthOrganization:WHO)でも1年としています。アメリカ生殖医学会では1年としつつも、女性が35歳以上では6ヶ月、40歳以上ではすぐにでも不妊症として評価や治療を開始すべきと述べています。このような提言を踏まえると、二人目を望み始めてから1年以上経過し、積極的に妊活をしても結果が得られない場合は受診をお勧めします。年齢は妊娠において重要な要素です。特に女性は、30歳を過ぎると卵子の質や量に変化があることも少なくないため、30歳以上の方は1年を待たないほうが良いと思います。また、35歳未満と35歳以上では異なる方法を考慮することが重要です。35歳未満の方は、適切なタイミングでの性交渉は、二人目を授かる可能性を高めます。一方で35歳を過ぎると自然妊娠の確率が低下し始めます。二人目不妊に悩む場合は早急に産婦人科を受診し、ホルモン検査や超音波検査を受けることをお勧めします。これにより適切な治療が開始できますし、35歳以上の場合は不妊のリスクと治療選択についての理解を深め、計画的な妊活を行うことが大切です。  妊娠・出産は、動物としての妊孕能(妊娠しやすさ)という視点から考えれば、若い方が良いといえますが、初潮を迎えてもすぐに排卵周期が確立するわけではないので、直ちに妊娠が成立しやすくなるわけではありません。成人女性として成熟した身体になることが必要です。十代の女性の身体は発育途上にあるので出産に適しているとはいえません。反対に年齢が高くなると分娩時の産道の組織の柔軟性が低下することもあります。また、子宮筋腫などの子宮の疾患の頻度が高くなるので、妊娠、分娩にリスクが伴うことがあります。こういったことを踏まえると妊娠、分娩に最適な年齢は20歳代だと言う学者もいます。そうすると30歳代までに出産を考えることは妥当かもしれません。35歳を超えると児の染色体異常が増加するというデータもあります。閉経までは妊娠の可能性はありますが、40歳を超えると自然でもなかなか妊娠しにくくなります。「妊活のリスク」については「期待に反して妊娠しにくい恐れ」があるといえましょう。

二人目の妊活がなかなか上手くいかないのですが、人工授精するなら何回位でステップアップしたらいいですか?

 自然妊娠を望む場合、タイミング療法でおこないますが、当院のデータでは4~6クール程度行っても、妊娠に至らない場合は人工授精へのステップアップをすべきだと考えています。人工授精とは排卵の時期に合わせて子宮の入り口から管を入れて精液を子宮内へ注入するわけですが、人工授精の場合は体外受精のように飛躍的に妊娠率が上がるわけではありません。タイミング療法の一回あたりの妊娠率が3~5%に比べて、人工授精の場合は約5~10%ほどです。少なくとも3~4回は必要だと思います。厚生労働省の調査では5~6回程度が限界だと言われており、5~6回くらいで体外受精へステップアップすることが適当ではないかと考えます。精子の濃度が低い、運動率が低い、射出精液量が極端に少ないといった精液所見の不良が認められた場合や、女性側が35歳以上の高齢な場合や卵管通過障害または排卵障害など認められる場合は、回数を重ねずに体外受精を考慮すべきだと思います。

妊娠率をあげる為に出来ることは何かありますか。

 究極な方法はありませんが、生活習慣の改善は妊活で重要な役割を果たします。「妊娠しやすい体づくり」には、どのようなことを心がけるとよいかに関しては、色々な意見がありますが、自身のライフスタイル(食生活・運動・睡眠など)を見直し、健康で妊娠しやすい体づくり を目指してはどうでしょうか。バランスの良い食事、適度な運動、十分な休息はストレスを軽減し、体を整えます。不妊治療がうまくいかないと夫婦仲も悪くなることがあります。お互いを気遣って無理のない治療を心がけましょう。


今回のお話しはいかがでしたか? 
当院では上のお子様連れでも受診できますので、二人目の不妊でお悩みの方はご相談ください。


醍醐渡辺クリニック

075-571-0226
京都市伏見区醍醐高畑町30-15
地下鉄醍醐駅1番出口より南へすぐ
https://www.d-w-c.jp/

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